1級建築施工管理技士第一次検定の受験に向けて、私は平成30年度から令和7年度まで、8年分の過去問に取り組みました。
過去問を解き始めた頃は、単純に「何点取れるか」を確認するために使っていました。しかし、8年分を続けて解いていくと、年度によって出題内容や難易度に違いがある一方で、同じような知識を問われる問題が繰り返し出題されていることにも気づきました。
また、自分がどの分野を苦手としているのかも、過去問の結果を記録していくことで少しずつ見えてきました。
この記事では、私が実際に8年分の過去問に取り組んだ結果を振り返りながら、過去問をどのように使えば効率よく勉強できるのかについてまとめます。
なお、実際に使用したテキストやアプリ、AIなどを組み合わせた具体的な勉強方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
→【合格体験記②】1級建築施工管理技士第一次検定に合格|テキスト・アプリ・過去問を活用した独学勉強法
1級建築施工管理技士第一次検定の過去問8年分に挑戦
今回取り組んだのは、平成30年度から令和7年度までの8年分です。
それぞれの年度について、実際の試験問題を使って解答し、正解数や間違えた問題を記録しました。
8年分の得点は次のようになりました。
| 年度 | 総得点 | 応用能力問題 | 結果 |
|---|---|---|---|
| 平成30年度 | 38/60 | ― | ○ |
| 令和元年度 | 35/60 | ― | × |
| 令和2年度 | 38/60 | ― | ○ |
| 令和3年度 | 40/60 | 3/6 | ○ |
| 令和4年度 | 44/60 | 3/6 | × |
| 令和5年度 | 44/60 | 3/6 | ○ |
| 令和6年度 | 43/60 | 7/10 | ○ |
| 令和7年度 | 43/60 | 8/10 | ○ |
※○×は、当時の合格基準をもとにした私の過去問結果です。
こうして並べてみると、最初から安定して点数が取れていたわけではありません。
令和元年度には35点まで下がり、その後は38点、40点、44点、43点と推移しています。
8年分を解いたからといって、毎年きれいに点数が上がっていくわけではありませんでした。
それでも、何度も過去問に取り組むことで、自分が苦手としている分野や、逆に安定して正解できる分野が少しずつ見えてきました。
令和3年度から試験の構成が変わった
過去問を比較するときには、年度による試験形式の違いにも注意が必要です。
令和3年度から「応用能力問題」が新設されました。
令和3年度~令和5年度は6問でしたが、令和6年度からは10問に増えています。
そのため、平成30年度~令和2年度と、令和3年度以降の得点を単純に比較するのではなく、試験制度の変更も考慮して過去問を見る必要があります。
私の場合は、令和3年度以降の応用能力問題についても記録し、どの程度正解できているのか確認しました。
8年分の過去問を解いて分かったこと
過去問を8年分解いて、特に感じたのは、「過去問は点数を確認するためだけのものではない」ということです。
最初は、
「今回は何点だった」
ということばかり気にしていました。
しかし、間違えた問題を振り返るようになると、
「建築材料が弱い」
「工程管理で間違えることが多い」
「この数字は何度やっても迷う」
「問題文の表現が変わると判断できない」
といった、自分の弱点が見えてきます。
つまり、過去問は自分の勉強方法を修正するための材料にもなりました。
科目別に見ると得意・苦手が見えてきた
Excelに8年分の結果を記録し、分野ごとの正解率も比較してみました。
建築学
建築学は、私にとって苦手意識の強い分野でした。
特に、
- 環境工学
- 一般構造
- 構造力学
- 建築材料
など、幅広い知識が必要になります。
8年間の結果を見ても、年度によって正解率の変動が大きく、安定して得点することが難しい分野でした。
特に建築材料については、最初の頃は正解率が低く、20%程度しか取れない年度もありました。
一方で、過去問を繰り返すことで少しずつ正解できる問題も増えていきました。
建築学は「一度勉強したから大丈夫」とはならず、間違えた問題を繰り返し確認することが重要だと感じました。
設備・外構・契約
この分野も、私にとっては安定して得点することが難しい分野でした。
8年間の結果を見ると、年度によって正解率の変動があり、特に建築設備などは苦戦しています。
出題される内容が毎年まったく同じというわけではないため、過去問の答えだけを覚えても対応しにくい分野だと感じました。
そのため、間違えた問題については、テキストや資料に戻って「なぜその答えになるのか」を確認するようにしました。
躯体施工
意外だったのが躯体施工です。
勉強しているときは、鉄筋工事、型枠工事、コンクリート工事、鉄骨工事など、覚えることが多く苦手意識がありました。
ところが、8年分の結果を見ると、比較的高い正解率を維持できていました。
これは、過去問を繰り返す中で、出題されやすい知識が少しずつ身についていったためだと思います。
「自分では苦手だと思っている分野」と「実際に点数を取れていない分野」は、必ずしも同じではありません。
このことに気づけたのも、過去問を記録していたからです。
仕上施工
仕上施工についても、年度による変動はありましたが、後半になるにつれて比較的安定してきました。
防水工事、屋根工事、塗装工事、内装工事など、個別の工事について覚えることが多いため、間違えた問題をそのままにせず、関連する知識をまとめて復習するようにしました。
一つの問題をきっかけに、その周辺の知識まで確認することで、別の問題にも対応しやすくなったと思います。
施工管理
施工管理は、8年間の結果を見ると、勉強が進むにつれて正解率が上がっていった分野です。
施工計画、工程管理、品質管理、安全管理などに分けて記録してみると、分野ごとの違いもはっきりしました。
特に苦戦したのが工程管理です。
ネットワーク工程表や、LST・EFT・LFT・ET・LTなどの用語・計算問題では、最初はかなり苦労しました。
単に用語の意味を覚えるだけではなく、実際の工程表を使って計算方法を確認する必要がありました。
このように、同じ「施工管理」という科目の中でも、得意・不得意を細かく分けて考えることが大切だと感じました。
法規
一方、私の場合は法規が比較的得意な分野でした。
8年分の結果を見ても、建設業法、労働基準法、労働安全衛生法などでは高い正解率を維持できています。
法規については、条文の内容を確認しながら過去問を解くことで、問題文の表現にも慣れていきました。
ただ答えを覚えるのではなく、
「この数字は何を意味しているのか」
「誰に対する規定なのか」
「どのような場合に適用されるのか」
という点まで確認することで、少し違った聞かれ方をされた場合にも対応しやすくなりました。
過去問は「答えを覚える」だけでは不十分
8年分の過去問を解いて、特に重要だと感じたのがこの点です。
同じような内容でも、実際の試験では問題文の表現が変わります。
そのため、
「この問題の答えは○」
と覚えているだけでは、少し違う聞かれ方をされたときに迷ってしまいます。
例えば、過去問で一度見た知識について、
- 正しいものを選ぶ
- 誤っているものを選ぶ
- 数値を変えて出題する
- 条件を変えて出題する
- 別の表現で説明する
といった形で出題されることがあります。
だからこそ、私は間違えた問題について、
「なぜこれが正解なのか」
を確認するようにしました。
分からなければテキストに戻り、それでも分からなければAIやYouTubeなどで調べました。
私が実践した過去問の使い方
私の場合、最終的には次のような流れで過去問を使いました。
① まず実際に問題を解く
最初から完璧に解けなくても、まず問題に取り組みました。
分からない問題があっても、そこで長時間止まらないようにしました。
② 間違えた問題を確認する
正解だったかどうかだけではなく、
- なぜ間違えたのか
- 知識がなかったのか
- 記憶が曖昧だったのか
- 問題文を読み違えたのか
- 計算方法が分からなかったのか
を確認しました。
③ 必要ならテキストに戻る
問題集の解説だけで理解できない場合は、テキストに戻りました。
私の場合、テキストを一度読んでから過去問に進みましたが、過去問を解くようになってからは、過去問をきっかけにテキストへ戻ることが増えていきました。
この方法のほうが、「今、自分に必要な知識」が分かりやすかったと思います。
④ 間違えた問題を繰り返す
一度正解したから終わりではなく、間違えた問題は後からもう一度解きました。
私はスマートフォンのアプリや自作問題、PDFなども利用して、空いた時間に復習できるようにしました。
⑤ 本番に近い形で過去問を解く
試験の約2か月前からは、実際の過去問PDFを使って、本番を意識して問題を解くようにしました。
平成30年度から令和7年度までの8年分を、一度は実際の試験問題として解いています。
この方法に変えてから、問題の量や時間配分、問題文の長さなどにも慣れていきました。
8年分すべてやる必要があるのか?
では、1級建築施工管理技士第一次検定を受験する人は、必ず8年分やったほうがいいのでしょうか。
私は、必ず8年分やらなければならないとは思いません。
受験までの期間や勉強時間は人によって違います。
まずは直近の過去問から始めて、自分の理解度を確認する方法でもよいと思います。
ただ、時間に余裕があるのであれば、複数年度の過去問に取り組むメリットは大きいと感じました。
年度を増やしていくことで、
- 繰り返し出題される知識
- 毎年のように出てくるテーマ
- 年度によって出題されるテーマ
- 自分が何度も間違える分野
などが見えてくるからです。
私の場合は8年分を解いたことで、「この分野は自分が弱い」ということだけでなく、「このような知識は繰り返し問われる」という感覚も身につきました。
過去問8年分をやって感じた一番のメリット
私が一番大きいと感じたメリットは、自分の勉強の方向性が分かるようになったことです。
テキストを最初から最後まで勉強しているだけでは、どこが自分の弱点なのか分かりにくいものです。
過去問を解くと、
「ここは分かっている」
「ここは覚えていない」
「ここは何度やっても間違える」
ということが具体的に分かります。
その結果、勉強時間を苦手なところに重点的に使えるようになりました。
特に、私の場合は建築の現場経験がなかったため、最初からすべての分野を同じように理解するのは難しいと感じていました。
だからこそ、過去問を使って優先順位をつけることが重要でした。
過去問は「勉強の最後」に使うものではない
過去問というと、
「テキストを全部覚えてから取り組むもの」
と考える人もいるかもしれません。
私自身も最初はそのように考えていました。
しかし、実際に勉強してみると、過去問はもっと早い段階から使ってよかったと思います。
もちろん、まったく知識がない状態では難しい問題もあります。
それでも一度問題を解いてみれば、
「このようなことが試験で聞かれるのか」
ということが分かります。
そして、間違えたところをテキストに戻って確認する。
この繰り返しによって、テキストを読むだけの勉強から、試験に必要な知識を身につける勉強に変わっていきました。
これから受験する方におすすめしたい過去問の使い方
私自身の経験からすると、過去問は次のように使うのがおすすめです。
過去問を解く
↓
間違えた問題を確認する
↓
分からなければテキストに戻る
↓
必要に応じてAIや動画などで補足する
↓
自分用の問題やメモにする
↓
時間を置いてもう一度解く
特に重要なのは、間違えた問題を「×」のまま終わらせないことです。
なぜ間違えたのかを確認し、その知識を次に正解できる状態にする。
この繰り返しが、私の場合は合格につながったと思います。
8年分の過去問を終えて、本番ではどうだったか
8年分の過去問を終えた後、令和8年度の第一次検定を受験しました。
自己採点では、
- 一般問題:45/60問
- 応用能力問題:6/10問
という結果でした。
一般問題では75%、応用能力問題では60%の正解でした。
過去問を解いていたときも毎回高得点だったわけではありません。
それでも、8年分の問題を通してさまざまな出題に触れたことで、本番でも「まったく見たことがない」という問題ばかりではなく、これまで勉強してきた知識を使って判断できる問題がありました。
最終的に、令和8年度の第一次検定に合格することができました。
本番当日の様子や自己採点、合格発表までの経緯については、こちらの記事にまとめています。
→【合格体験記①】1級建築施工管理技士第一次検定に合格|8年分の過去問とAIを活用した独学
また、実際に使用したテキストやアプリ、自作問題などの具体的な勉強方法についてはこちらです。
→【合格体験記②】1級建築施工管理技士第一次検定に合格|テキスト・アプリ・過去問を活用した独学勉強法
まとめ|過去問は「答え」ではなく「勉強の方向」を教えてくれる
平成30年度から令和7年度まで、8年分の過去問に取り組んでみて、私が一番感じたのは、過去問は答えを覚えるためだけの教材ではないということです。
もちろん、繰り返し出題される知識を覚えることは大切です。
しかし、それ以上に、
「自分はどこが苦手なのか」
「どんな問題で間違えるのか」
「どの分野を重点的に勉強すべきなのか」
を知るための教材として役立ちました。
特に1級建築施工管理技士第一次検定は、建築学、設備、躯体施工、仕上施工、施工管理、法規など、勉強する範囲が広い試験です。
すべてを同じ時間、同じ方法で勉強するのではなく、過去問を使って自分の弱点を見つけ、必要なところを重点的に復習する。
これが、私が8年分の過去問に取り組んで感じた、効率的な勉強方法です。
これから受験する方も、まずは過去問を一度解いてみてください。
点数が低くても、そこで落ち込む必要はありません。
「今の自分は何が分かっていないのか」を知ること自体が、過去問を解く大きな意味だと思います。


